パソコンのパーツで最も重要ともいえるのがCPUです。ゲーミングパソコンを選ぶなら決して無視することはできません。
ところが、あまりにたくさんの種類があるので「どれを選べば良いの?」と悩むのも理解できます。調べれば調べるほど、訳がわからなくなるということもあり得るでしょう。
そこで、CPUについて理解しやすいように細かく解説していきます。この記事を読み終えるころには「選び方が理解できた」となれば幸いです。
CPUとは?
CPUとはCentral Processing Unitの略で、日本語では「中央演算処理装置」です。演算が速ければ速いほど処理能力に優れたCPUだと言うことができます。
最近では高性能化が進み、グラフィック機能を搭載しているCPUまで登場しています。そのため軽量なゲームならグラフィックボードを搭載しなくても動かせてしまうケースも出てきてはいます。
しかしながらオンラインゲームを快適に動作させるとこりまでは到達していないのが現状。ゲームをプレイするならグラフィックボードは必須という訳です。
どれだけ高性能なグラフィックボードを搭載しても、CPUの性能が悪ければ足を引っ張ってしまい本来の性能を引き出せません。フレームレートが下がったり、カクついたりします。
グラフィックボードと同じくらい注意してCPUも選びましょう。
CPUとゲームの関係
低スペックなCPUを選んでしまうと、グラフィックボードの性能を引き出せないと説明してきました。これは、CPUがボトルネックとなって、グラフィックボードの足を引っ張るからです。結果的にフレームレートが引き出せず、ゲームがカクつきプレイに支障が出てしまいます。
ゲーミングパソコンを買うなら、プレイしたいタイトルで60fpsあたりが出るものを選びたいです。
ゲームタイトルの推奨スペックは、最低限遊べるくらいのスペックを出しています。高画質で快適に遊べるスペックではないということです。なので推奨スペックの1-2ランク上のパソコンを購入することをおすすめします。
CPU性能の見方、選び方
CPUの性能を決めるのは「コア数スレッド数」「クロック数」「TDP」です。この要素に「価格」が加わってきます。CPUが発売された世代によっては、劇的に性能の向上がみられることもあります。
コア数スレッド数
コア数スレッド数は、多ければ多いほど並列処理が効率的に行えます。仮に他の要素が同じだった場合、コア数スレッド数で大きな差になったりします。
例えば6コア12スレッドというCPUがあった場合、4コア8スレッドよりも性能が良いと言えます。人間で例えると、コア数が頭数、スレッドが腕になります。頭数が多いほど、仕事は効率的に進みますよね?それと同じことがCPUにも言えるという訳です。
クロック数
クロック数は動作周波数で、GHzという単位で表します。例えば5.0GHzで動作するCPUなら、1秒間に50億回もの処理を行えます。基本的に、クロック数が高いほど処理能力が高いです。
クロック数には「定格クロック」と「最大クロック」が存在し、定格はパソコンに負荷がかかっていない状態、高負荷がかかると最大クロックまでオーバーブーストします。
TDP
TDPは熱設計電力になります。TDPが高いほど高性能なCPUである傾向は高まるのですが、消費電力が上がり、熱ももちやすくなります。
極端にパーツの温度が上がると、パソコンは自己防衛のために性能を下げて動作します。(サーマルスロットリング)熱があるとファンがうるさく回ったり、パーツの寿命を縮める要因ともなるので注意が必要です。
世代
CPUには世代があります。基本的には発売年数をチェックすれば良いだけなのですが、うっかり古いCPUを選んでしまうと「Core i7なのに遅い」ということにもなりかねません。
例えば「Core i7 4790」と「Core i7 9700」では、後者のほうが新しいCPUになります。見極め方は、4桁の数字の最初の数字が世代にあたります。
4790だと最初が4なので、第4世代。9700だと最初が9なので、第9世代になります。簡単ですね。
CPUの末尾にあるアルファベットの意味は?
CPUの末尾にアルファベットがついていることがあります。これはサフィックスと呼ばれています。簡単に代表的なものを解説します。
X:超高性能
K:オーバークロック対応
F:内臓グラフィック非搭載
T:低消費電力
U:超低消費電力(モバイル)
H:モバイル
CPUメーカーはIntelとAMD
CPUにはIntel製かAMD製の二択を迫られることになります。ほとんどのパソコンがIntel製のCPUを採用しており、シェア率も高くなっています。
2019年では、AMD製のCPU(Ryzen)にも注目が集まっておりシェアも近づきつつあります。その理由は「性能が向上していること」「コストパフォーマンスに優れていること」にあります。
一昔前までは、Intel製のCPUを選んでおけば間違いありませんでした。CPUのシェア争いが激化している昨今では、AMD製も選択肢になるのでゲーミングパソコンのCPUを決めるのも一筋縄ではいかなくなりました。
ゲームを快適に動かせる性能があれば良いので、低スペックすぎず高スペックすぎず、そして最新のものに限れば選択肢は一気に減ります。IntelならCore i5かCore i7、AMDならRyzen 5かRyzen 7あたりがおすすめです。
CPUの選び方
ここまでの解説で「なるほどわかった」となれば良いですが、そういう人は稀でしょう。
それぞれの要素がバランスよく配合されてこそ「おすすめのCPU」と言えるのですが、そう単純化できるほど簡単なものではないからです。そこで参考になるのが、ベンチマークスコアです。CPUの見分けが困難だと感じたら、ベンチマークを参考にしてパソコンを選ぶのが良いでしょう。
予算の範囲内で最もベンチマークスコアが良いものを選べば、大きな失敗はしないはずです。
メモ
PASSMARK社のCPU Benchmarksのスコアをご紹介します。
性能を約束するものではありませんが、ゲーミングPC選びの参考に役立ててください。
インテル製CPU
第9世代CPU(Coffee Lake-S Refresh)
CPU | スコア | コア数スレッド数 | クロック(最大) | TDP |
Core i7 9700K | 17213 | 8コア8スレッド | 3.6GHz(4.9GHz) | 95W |
Core i7 9700F | 16472 | 8コア8スレッド | 3.0GHz(4.7GHz) | 65W |
Core i5 9600K | 13528 | 6コア6スレッド | 3.7GHz(4.6GHz) | 95W |
Core i5 9400 | 11811 | 6コア6スレッド | 2.9GHz(4.1GHz) | 65W |
Core i5 9400F | 12118 | 6コア6スレッド | 2.9GHz(4.1GHz) | 65W |
第8世代CPU(Coffee Lake-S)
CPU | スコア | コア数スレッド数 | クロック(最大) | TDP |
Core i7 8700K | 15964 | 6コア12スレッド | 3.7GHz(4.7GHz) | 95W |
Core i7 8700 | 15159 | 6コア12スレッド | 3.2GHz(4.6GHz) | 65W |
Core i5 8600K | 12757 | 6コア6スレッド | 3.7GHz(4.6GHz) | 95W |
Core i5 8400 | 11649 | 6コア6スレッド | 2.9GHz(4.1GHz) | 65W |
モバイルCPU(ノートパソコン)
CPU | スコア | コア数スレッド数 | クロック(最大) | TDP |
Core i7 9750H | 13665 | 6コア12スレッド | 2.6GHz(4.5GHz) | 45W |
Core i7 8750H | 12438 | 6コア12スレッド | 2.2GHz(4.1GHz) | 45W |
Core i5 9300H | 9686 | 4コア8スレッド | 3.7GHz(4.6GHz) | 45W |
Core i5 8300H | 9490 | 4コア8スレッド | 2.9GHz(4.1GHz) | 45W |
AMD製CPU
CPU | スコア | コア数スレッド数 | クロック(最大) | TDP |
Ryzen 7 3800X | 24557 | 8コア16スレッド | 3.9GHz(4.5GHz) | 105W |
Ryzen 7 3700X | 23879 | 8コア16スレッド | 3.6GHz(4.4GHz) | 65W |
Ryzen 5 3600X | 20466 | 6コア12スレッド | 3.8GHz(4.4GHz) | 95W |
Ryzen 5 3600 | 19969 | 6コア12スレッド | 3.6GHz(4.2GHz) | 65W |
一部のCPUは割愛しておりますが、ゲーミングモデルで人気があるのは上に並べたCPUになります。
おすすめのCPUは?
ゲームだけを意識するなら、Core i7を使うよりもCore i5を推す声もあります。最新のゲームを高設定で遊ぶなら少しでもよいCPUが良いでしょうが、ここ数年で出てきたようなゲームならスコアに差が出にくいからです。その分もグラフィックボードに予算を割いたほうが良好な結果を得らる可能性があります。
他にも写真を編集したり、ゲームを配信したり、動画を作ったりしたいということであればハイグレードなCPUを選ぶほうが良いです。Core i7-9700クラスに人気が集まるのは、そうした背景を含んでのことでしょう。
では具体的におすすめのCPUを挙げてみます。
デスクトップなら、Core i7-9700、Core i7-8700が人気!
ゲーミングパソコンで人気があるのはCore i7-8700や、その後継モデルのCore i7-9700です。
その理由は高い処理能力を有していることで、安定してゲームを動作させることができます。ゲームでボトルネックになることはまずなく安定してフレームレートを叩き出せます。
Core i7を推奨するゲームも増え、今後その傾向はさらに高まることからも、本格的にゲームをプレイしたいならCore i7クラスをおすすめします。
コスパ重視なら、Core i5-9400、Ryzen 5 3600が定番!
これまで数年続いているような定番ゲームなら、Core i5やRyzen 5がおすすめです。フレームレートとかあまりこだわらないし、その分も安くあげたいというニーズにも合致します。
予算をグラフィックボードに回すこともできますし、予算が限られている人ならCPUを少し落として、メモリやSSDに回したほうが快適な可能性もあります。
コスパ的にはCore i5-9400や、Ryzen 5 3600あたりがおすすめです。
ノートパソコンならCore i7-9750H一択!
ノートパソコンでゲームをするつもりなら、CPUの選択肢はそれほど多くありません。と言うか、インテル製のCore i7-8750Hか、後継のCore i7-9750Hのパソコンを選びましょう。
もちろん最新のCPUのほうが良いので、Core i7-9750H一択といっても良い状況です。最近は省電力タイプが多く、性能があまり高くないCPUもあるので注意が必要です。
おすすめのパソコン
ドスパラ GALLERIA(ガレリア)
総合評価:(5.0)
性能:
価格:
納期:
保証:
ゲーミングパソコンを探しているなら、一番最初にチェックして欲しいのがGALLERIAだ。2018年度の「価格.com Award」においてはタイトルを総なめするなど実績も十分。
最新パーツも積極的に取り入れており、無料アップグレードなどのキャンペーンも頻繁に開催している。最短で即日発送のスピード納期や、分割払いにも対応してくれるのが地味にうれしい。
マウスコンピューター G-Tune
総合評価:(4.5)
性能:
価格:
納期:
保証:
マウスコンピューターも、BTOパソコンメーカーとしてはトップクラスの人気を誇ります。特にゲーミングモデルのG-Tuneは、ゲーマーから注目視されています。
ミニタワー、マイクロタワー、ミドルタワー、フルタワーと、ラインナップが豊富で、パーツ構成選択の自由度が高いのが特徴です。比較的安いモデルから、高価なモデルまであるので好みの1台に出会える確率は高いです。
フロンティア
総合評価:(4.0)
性能:
価格:
納期:
保証:
フロンティアはあまり知られていませんが、ヤマダ電機系列のBTOメーカーです。
台数限定や、時期に合わせてセールが開催されており、最安級のパソコンを見つけることができます。あまりの安さに「本当に利益出てるの?」と心配になるくらいです(笑)
性能はしっかりしており、パーツのキモとなる電源の品質にもこだわっています。タイミング次第ではありますが、セールを利用して安くパソコンをゲットしたいのであればチェックはしたいメーカーです。
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